りんご。
りんごを描いて、と言われると、ぐるぐるっと丸を描き、上のほうに軸とへこみの線を描けば、あら不思議。誰でもすぐにりんごが描けてしまいます。葉っぱやちょろっと顔を出した虫食いさんの虫まで描き足せば、よりそれなりの性格をもったりんごの出来上がり。
もちろんこれは、りんごのいわゆるアイコン的なものなので簡単に描けることはとてもよいこと。誰にでも分かるりんご。
しかし、実際に良く見て描いて、と言われるとなんてりんごって難しいんでしょう。どうしてこんなに細かい模様があるのよ、どうしてこんなに微妙なグラデーションがあるのよ、と良く良く観察すると実に美しく良くできた自然物だということが良くわかります。

今日はそんな美しいりんごさん達をモデルに、水彩の基本画法を2つ紹介しました。面で描く方法と、線で描きすすめる方法の2つ。仕上がりが微妙に違います。
また、水墨画のほうは、目の前の小菊を鉤勒法で花びらを描き、没骨法で葉っぱを描いていくという内容でした。小筆を上手に使い、柔らかくしなやかな花びらがたくさんできていました。
小筆の使い方も基本中の基本。思ったようにしなやかで芯のある線が描けてくると、また一段と描くことが楽しくなってきます。
基本とは何かと良く考えます。
初めて描かれる方にいつもトーンから始めて、一見面白くもなんともない四角の箱とかを鉛筆で描いて頂くのですが、そのデッサンの中で何をしているかというと、自分の目がいかにいつも思い込みなどを通して見ているかということに気がつくという狙いもあります。これはご自分で気が付かないと、私がいくら「こことここが、ちょっとずれていますよね」と伝えても、描いておられる方ご自身に見えていないと、何にもならないということです。
でも、人間は常に学んでいるのですよね、必ず2時間ほどのうちに、目は見えてきます。そして、見えたものと同じように描く練習、それが基本になります。
それが出来ると、抽象だろうが何だろうが、目の前に見えているもの、見えていないもの、心に思ったもの、描きたいものと描くものが一致し、その方の作品となります。


