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今日は「グリザイユ画法」について、学んでそして練習の時間だった。
古くから使われてきた画法「グリザイユ画法」。ものを描くときには、形があり、明暗・陰影があり、そして色がある。グリザイユ画法では、最初にグレーの諧調で明暗を表現し、その上にモチーフの固有色を重ねて、明暗と材質感両方を表現していく。
古くは油絵がまだ純粋に油と顔料を中心に描かれていた頃、その透明感を利用して、この画法で良く描かれていたようだ。グレーのトーンだけで描くのは、ある意味難しく感じるが、反面、色の混色や色の選別に気を取られることなく描き進められるため、グレーの一色に集中できる良さもある。
クラスでは最初に鉛筆デッサン。今日のモデルさんは黄緑色のブドウ。まずはその形、様子、陰影、動きなどをじっくり見て描いてから、いよいよグレーで描く段階へ。

ただ、平坦な道をなかなか歩かせない、このアートクラス。グレーの色も混色で作ったグレーを使用するとのお達しに、生徒さん方は少しもひるまず、次々と美しいグレーを作りだしている。(このような瞬間が、なんとも言えず悦ばしい。)
グレーで濃淡を描き、時間ぎりぎり10分前に、急いでドライヤーで完璧に乾かしてから、固有色での彩色。それぞれに、グレーの色味が後押しして、美しいブドウたちができあがった。
