7月・8月に開催した全5回の人物画スペシャルクラスが終了しました。
今回お願いした若いモデルさんたちも、それぞれのポーズがとても美しく、そして興味深く、私自身も「このままずっと椅子に座ってデッサンしていたい」と思ってしまうほどでした。
人物画は、モデルさんがいて初めて成立するものです。実際に目の前にいる生身の人間を描くことで、本当にさまざまなことに気づかされ、学ばされます。もちろん、静物や風景を描くことから学べることもたくさんありますが、人物を描くときには、それとはまた少し違ったものがあるように感じます。
人物を描いていると、静物や他のモチーフでは気づき得ない、別の思い込みや固定観念、さらには自分自身の性格のようなものまでが、モデルを描いている画面の中にはっきりと現れてくることがあります。それらを突き付けられ「あーまだ成長してない」と思い、でもそのことが分かったときの爽快感や、何かが腑に落ちるような感覚、そして次へ行けた達成感など、それらに出会いたく人物画を描いている気もします。それが私をいつも「人物に戻らせる」理由でもあります。以前は、時間の許す限り朝から夕方までDrawing Sessionに参加して、とにかく描き続けていました。今でも、またそれができる時期が来たら、ぜひそこへ戻りたいと思っています。
さて、この夏はこうして人物画を描く機会を設け、クラスの中でも、人物を描くときのポイントについていろいろとお話ししました。とはいえ、人物画はポイントを聞いたからといって、そう簡単に思い通りに描けるものではありません。
でも最終的には、「人物を描くことってちょっと面白いかも」と感じてもらえたり、「人の身体って、こんなふうにつながっているんだ」と何かひとつでも気づいてもらえたりしたなら、それだけでも十分なのではないかと思っています。
……と言いつつ、皆さん、それぞれに個性豊かな、とても魅力的な人物画を描いていらっしゃいました。同じモデル、同じ時間、同じ空間で描いていても、出来上がる絵は一人ひとりまったく違います。そこもまた、人物画の面白さのひとつです。


