今年もやってきました。夏のスペシャル企画「人物画」に挑戦する月間です。
夏休みで不在になったり、ほかのアクティビティで忙しくなったりと、さまざまな理由で参加者が少し減る夏の時期。そこで、モデルさんに来ていただき、実際の人物を描く企画を行っています。
普段のクラスでは、どうしても静物を描くことが多くなります。しかし、静物画を通して学んでいることを、より実践的に発揮できるのが人物デッサンです。
どこを基準にして、ほかの部分をどのように測るのか。形や線の角度をどのように見るのか。普段、静物モチーフを描きながら学んでいることが、そのまま人物画にも活かされます。
少し違うのは、目の前にいるモデルさんが、実際に呼吸をし、生きているということです。
また、座る場所が3フィート、4フィートほど違うだけでも、モデルさんの見え方は大きく変わります。モデルさんは一人しかいませんが、見る角度によって、姿や形はずいぶん違って見えるのです。このあたりは、机の上の静物を描くときとは異なる、人物画ならではのダイナミックなところです。

もう一つ、人物画で苦戦しやすいのは、頭の中にある「知識」や「思い込み」です。
たとえば、「頭は、まっすぐ立った首の上についているはず」「真正面から見える腕はとても短いけれど、本当は奥行きがあるから、もっと長いはず」といった考えが、デッサンをするときには邪魔をしてしまうことがあります。
その結果、「見えているもの」と「描いたもの」が、なぜこんなにも違うのだろうという事実に直面することになります。
静物よりも人物のほうが、「見ているものと描いているものが違う」ということに気づきやすいものです。しかし、なぜ違ってしまったのかは、なかなか分からないことも多いようです。
そこには、自分の中の思い込みが影響しています。頭で考えた形ではなく、目の前に本当に見えている形を、丁寧に観察して描いていきましょう~。

